鉄鼠の檻 著:京極夏彦
『森博嗣さんのファンなら、京極夏彦さんの作品を読んでみてはどうか』
と、ずいぶん前に言われた事があった。作風が似ている、という意味らしかった。その後なかなか機会が無かったのだが…最近また、わりと図書館に通いだした人生やまるは、ついに手に取った。京極夏彦さんの作品を。
『鉄鼠の檻』。これである。ただ非常に惜しまれるのは、これがシリーズ第1作ではないことだ。近所の図書館の品揃えは、残念ながら完璧には程遠い。ともかく、前々から気になっていた京極さんの作品だったこともあり、即借り。読んでみなければ始まらないのだ。
手に取った瞬間の感想…
…厚ッ(゜o゜)
とにかく厚い。これはもう、ぶ厚い、の領域だ。気になってページ数を調べてみると…
800ページ超え(゜o゜)
これは読みごたえ抜群だ。期待と、若干の恐れを抱き、読破に取り掛かった人生やまる。おかげさまで先日、最後のページを読み終えることとなった。そんなわけで、感想を発表したい。
まず一言で表現すると…『トンデモナイ』。無知な僕がどう説明したものか、適切な言葉も思いつかないのだが、とにかく半端じゃないのだ。
登場人物それぞれの個性を、その豊かな表現力で思う存分押し出している。鬱病ぎみの物書き、関口がメインとなり、その他様々な登場人物の視点で物語は進んでゆく。今回のストーリーや事件は、ある寺にまつわるものだったのだが、一般人には馴染みのない、『禅』についての様々な要素が各所に散りばめられている。それがまた、掘り下げる、掘り下げる!!禅どころか、お坊さんについての知識も皆無な僕にとっては、それら全てが初めて触れる世界であり…正直、それを理解しようとするだけで(理解不能の部分も多々)精一杯であり、とても推理どころじゃない、というのが本音であった。必死で喰らい付いて呼んでいる間に、いつの間にか事件も、謎解きも終結してしまった…そんな印象であった。
それについては、どうしても謎を解きたい派の僕としては、悔しい限りではある。突如として登場した『禅』という世界に圧倒されっぱなしで、何をどう推理して良いのかさえ分からぬまま、魅せられたまま、読まされてしまった…。言わば、土俵にすら上がれていなかった。ただのお客さん。
翻弄されっぱなしだった今回だが、それでも何故か、とても満足だった。それはこの作品の、尋常ではない完成度に惹かれたからに他ならない。冒頭の話ではないが、これはまさに、森博嗣さんの作品に出会ったときと同質の感動である。『キャラの個性』、『隅々まで散りばめられた表現力』、『ある意味、読者の力量を無視したレベルの専門知識』。まさに同質。僕はきっと、こういった作品が、作家さんが好きなのだ、と改めて実感した。
はっきり言って今の僕は、アイデア勝負、というか、トリックやオチに全てを注いだ作品に興味は持てないのだ。そういった作品は、一度読めば飽きる。そうではなく、キャラの個性や作家さんの表現力に惚れこみ、何度も読み直してしまうような作品に、強い憧れを感じる。森さんや、今回の京極さんのような、素晴らしい作家さんに、憧れる。
主人公である関口。そして『妖怪』に精通する古本屋、中禅寺秋彦。さらに、大胆な行動が目立つ探偵、榎木津礼二郎。このトリオのバランスは、絶妙だ。まぁ三人の性質については、またおいおい話したいと思う。出来ることなら早急に、シリーズ1作目を読みたい、と強く願っている人生やまるである。
今度は、別の図書館へ行ってみよう、うん。
これからは、森博嗣さんに加え、京極さんの作品もバシバシ読んでいくだろう事は間違いない、僕なのであった。
ちなみに…どうでも良いことなのですが、この僕が個人的に書き続けていた推理小説が先日、無事に完成致しました。自身初の執筆です。もちろん、素人特有の、独りよがりの駄作ではありますが…やり遂げた、という点においては、非常に満足しています。いや、駄作だなんて、僕が言ってはいけない。今の自分に持てる力の全てを注いだのだから…せめて僕だけは、自分の作品を認めてあげないと。
とにかく週末は、図書館に行ってきます(*^^)v
by 人生やまる
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